2005年、秋、ニューヨーク

世界の文化の中心であり、人種のるつぼであるこの街から、いままで数えきれほどの新しいアイデアや文化が生まれて、世界中に広がっていきました。

2005年10月、オレゴン州のポートランドを出発した僕は、約3日間かけて電車でニューヨークに向かいました。それは、20歳の誕生日を迎える、ちょうど2週間前のことでした。

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ニューヨーク:世界の文化の中心

なぜ僕は、こんな昔話をしているのでしょうか。年末のオススメ旅行プランを書きたいわけでありません。僕が書きたいのはなぜ日本企業からなかなか新しいアイデアが生まれてこないのかということなのです。

最近、日本でもコーワキングスペースというものが注目を集めています。俗に言う、シェアオフィスですが、ただ場所を共有するだけではなく、「思想」を共有し、全く異業種の人たちが同じ場所で働くことで、脳の様々な場所が刺激され、イノベーションが起こりやすくなるということが様々なリサーチによって証明されています。

コーワキングスペース

Global Deskmag Surveyという調査によれば、コーワキングスペースで仕事をし始めたことで、71%の人がクリエイティブなアイデアを生み出しやすくなったと答えており、なんと約90%の人が自分に自信を持てるようになったと答えています。

従業員が集まるオフィスはもういらない、「クリエティビティー」が集まるオフィスが必要


コーワキング スペース
もう、会社名を名乗る必要はない。しっかりと自分の「名前」を名乗ろう。

ジェイソン・フリードさんがTED TALKSでスピーチした内容によれば、集中して仕事ができる環境は人によって異なり、早朝や夜中など時間帯を重要視する人が多く、場所に関してはカフェや電車の中などそれぞれだったそうです。しかし、驚くことにジェイソンさんが調査した中では、「会社のオフィスが一番集中できる」と答えた人は誰一人といなかったそうです。

若者の文化をリサーチする会社を経営して、現在はコーワキングスペースで仕事をしているSharon Ann Leeさんは次のように話しています。

 

「(オフィスで働いている頃を思い出して)オフィスに行くのは本当に怖かったわ。仕事を終わらせることばかり考えてた。本当に"仕事"だけだったのよ。」

 

「私は色々な人のアイデアが偶然交じり合う瞬間が大好きなの。(オフィスに行くことと比べて)コーワキングスペースに行くことはスポーツジムに行くみたいなものね。」
コーワキングスペース
Sharon Ann Leeさんが経営するコーワキングスペース、Jellyfish Cartel

コーワキングスペースが広がりつつあるのは大きな時代の変化のように思います。高度成長期を経て日本は欧米の国に追いつき、今まではアメリカやヨーロッパの真似をとりあえずしていれば大丈夫でした。

しかし、今は違います。アメリカやヨーロッパの真似をした仕事はどんどんアジアの諸国に流れていき、先進国の仲間入りを果たした日本は、新しいモノを生み出すことに集中しなければなりません。

コーワキング
ジェイソン・フリードさん:生産性の悪いオフィスに、なんで1日8時間も居るの?

コーワキングスペースでは、いろいろな業種の人たちが仕事をしています。あなたの横に座っている人は、もしかするとあなたのお客さんになるかもしれないし、あなたに的確なアドバイスをくれる経験者かもしれません。

多様性の中に身をおくことが、クリエティビティーを生み出す鍵


instagram コーワキング スペース
Instagramも月額5万円でコーワキングスペースで仕事をしていた。2012年、Facebookに約1000億円で買収される。

Amazon、Twitter、そしてGoogleでさえも社外に従業員が仕事できるスペースを確保しています。クリエイティブな人たち(エンジニアやライター、思想家など)は、一人で集中できる場所と時間を必ず確保しています。僕も経験上分かるのですが、クリエイティブな人たちに囲まれながら仕事をすると、自分の中にも自然とインスピレーションが湧き、今まで思いつかなかったフレーズやキーワードがどんどん湧いてきます。

冒頭でニューヨークは人種のるつぼと言いましたが、コーワキングスペースは、まさに職種のるつぼなのです。同じような業種の人と人脈を作ることも大切ですが、まったく違う業種の人と意見を交換することで、今まで考えても見なかった角度から物事を考えることができるのです。

コーワキングスペース
人種のるつぼから

コーワキングスペース
職種のるつぼへ

一代でユニクロを築き上げた柳井正さんは「僕はファション業界のことなど、さっぱり分からなかった。だからイノベーションを起こすことができたんだ。」と言っています。

かのスティーブ・ジョブズも「コンピューター」と「芸術」も融合させ、誰も惚れぼれしてしまうコンピューターを作り上げました。孫正義さんがジョブズのことを「現代のレオナルド・ダ・ビンチだ」と言ったのも、ジョブズがコンピューターには全く関係ない芸術分野とコンピューターを融合させたからではないでしょうか。

iphone 芸術
もうテクノロジーというよりは、芸術である。

まとめ


コーワキング スペース
さぁ、オフィスの解約の手続きをしよう。

僕は今、この記事を渋谷ヒカリエ内にある「Creative Lounge Mov」というコーワキング・スペースで書いています。

床に座りこんで仕事をしている人もいれば、ソファーに横になりながらコーディングしている人もいます。人種のるつぼであるニューヨークでイノベーションが起こるように、ビジネスでイノベーションを起こすためには、職種のるつぼであるコーワキング・スペースで仕事することが当たり前になってくるのかもしれません。

クリエイティブ ラウンジ モブ
渋谷ヒカリエ内にある、Creative Lounge Mov

中学生や高校生の頃を思い出して下さい。周りにもっと色々な考えを持った人がいたのではないでしょうか。しかし、いつも同じ人としか関わらない日常に慣れてしまったあなたは、イノベーターマインドを忘れてしまったのかもしれません。

もしそうなのであれば、行く場所は2つ。ニューヨークもしくは渋谷ヒカリエだ。

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