SPACEBOYブログ

オムニチャネルマーケティングについて考えるブログ

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ジョブズ氏が無意識に行っていたインバウンド・マーケティング

アップルは人々を磁石のように引きつけます。アップルが会社のオフィスにテレアポをしたり、アップルストアで安売りをしたりしているのが想像できるでしょうか?

 

書店には「アップルから学ぶ◯◯」や「スティーブ・ジョブズから学ぶ◯◯」といった本が山積みになっていますが、実際にどの企業も実行できておらず、(もしくはすぐ挫折してしまい)結局、安売りや従来の営業方法に戻ってしまっています。

アップル_インバウンド_マーケティング
人を磁石のように引きつけるApple

現在は、世界一時価総額の高い企業として誰でも知っているアップルですが、一時は全く売れず、ジョブズは社内の幹部から会社を追いやられてしまったこともありました。

 

アップルがここまでの企業になれた背景には、インバウンド・マーケティングの手法を上手く活用したことが一つの要因でもあります。恐らく、ジョブズが無意識の内に実行していたことだとは思いますが、アップルのマーケティングはインバウンド・マーケティングをかなり意識したものだったのです。

ジョブズ_インバウンド
ジョブズの戦略的なインバウンド・マーケティング

自分達の強みを知る


ジョブズ_インバウンド_マーケティング
What is your strength?

ジョブズがアップル復帰直前に行われたインタビュー(のちにthe lost interviewと呼ばれる)の中で自社の強みを見つけ、その強みを使って、どのように潜在的顧客を惹きつけるが最も重要と答えています。

20世紀を代表する経営学者、ピーター・ドラッカーも、自社の弱みを克服するのではなく、強みに焦点を合わせて、そこをどのように伸ばしていくかを考えるべきだと語っています。

ジョブズ_ロストインタビュー
伝説のロスト・インタビュー

そして、自分たち強み(=他社との違い)をしっかりと意識できたら、それをしっかりと自分たちの言葉で顧客に伝える必要があります。1984年のスーパーボールで流されたCM、Think Diffrentのプロモーション、これらの中で、アップルはコンピューターの質やスペックの速さなどには一切触れていません。「他社とは違うという文化」を顧客に間接的に伝えるための、戦略的なインバウンド・マーケティングだったのです。

think-different
Think Differnetのプロモーション

ジョブズの有名な言葉に、次のようなものがあります。

 

「What do you want people to think when they visualize your brand?」
「顧客があなたのブランドを思い描く時、どんな風に思われたいか?」

 

インバウンド・マーケティングのコンセプトは「準備できたら私のところに来て!(I am here when you are ready)」です。

ジョブズ_インバウンド
準備できたら私のところに来て

ITやWebが発展した現在では、テレビコマーシャルを打つ必要はありません。SNS、ブログ、そしてYoutubeと顧客に自社のイメージを伝える手段はいくらでもあります。ひとつのブログ、ひとつのツイート、そしてひとつの動画があなたの会社のイメージを作っていくことになるのです。

顧客をコントロールするためにストーリーを語る


ジョブズ_ストーリー
良いモノには、良いストーリーを

もしかすると、あなたの会社の商品やサービスはすでに「強み」を明確し、他社との差別化を図っているのかもしれません。自社の強みを明確にした後、重要になってくるのがストーリーです。

 

アメリカで最も国民に愛された大統領、ロナルド・レーガンは政治のことなど全く知らない、ただの俳優でしたが、素晴らしいストーリーテラーとして国民に愛されました。

ジョブズも最高のストーリーテラーだったことは、ご存知かとは思いますが、人間はただただ、ストーリーや童話が大好きなのです。
ロナルド_レーガン_スピーチ
素晴らしいストーリー・テラーであった、レーガン

インバウンド・マーケティングは他人に役立つ情報を発信したり、良いコンテンツを作りユーザーに見つけてもらうことが大事ですが、それだけでは十分ではありません。あなたがどのようなオフィスで仕事をしていて、どのような経歴を持ち、どのような考えを持って働いているかをストーリー立てて伝えていく必要があります。

孫正義_インバウンド
どんどんビジョンを語る孫正義さん

ちょっとぐらい大げさに語ってみたり、クサイ感じになってしまっても大丈夫です。商品やサービスで他社と差別化を計るのは少し難しいかもしれませんが、ストーリーは会社によって絶対に違うはずです。誰にも共感してもらえるストーリーを作って、ウェブ上でどんどんブランド化していきましょう。

まとめ


ジョブズ_インバウンド
さぁ、ブランディングをしよう

ジョブズ率いるアップルは無意識の内にインバウンド・マーケティングを実行していました。

 

マーケティングの基本として、他社との差別化を計ることはよく語られますが、ジョブズはそれを「どんな風に思われたいか?」というイメージで表現しました。そのイメージとあなた語るストーリーが、ユーザーや顧客を刺激したとき、問い合わせという次のプロセスのつながるのではないでしょうか。

1ドルの投資が12.5ドルの利益を生む

店内にWifiを設置している企業は日本ではまだまだ少ないのではないでしょうか。オムニチャネル・マーケティングが日本よりも進でいるイギリスでも、76%のロンドン市内の小売店はまだ店内にWifiを設置をしていないそうです。


欧米でも店内Wifiはまだまだ

日本ではセブン・イレブンが店内にWifiを設置して、企業のオムニチャンル化を進めていますが、これからは、「顧客のすべてのわがままに答える」というコンセプトを元に、企業はオフラインとオンラインとの両方から顧客にアプローチしていかなければなりません。

セブンイレブン_wifi
セブンイレブンのWifi

すべての「中途ハンパ」をひとつブランドに統合


ブランドの統合
チャンネルを統合して太いパイプを

これだけウェブやITが手軽になった世の中では、eコマース、ソーシャルメディア、そしてウェブマガジンなどは簡単に立ち上げることができます。しかし、国内のECサイトで年間3000万円以上の売上を上げるのは全体の3割程度、さらにソーシャルメディアで直接利益を上げることができている企業はさらにもっと少ないのではないでしょうか。

今後、企業が真っ先に実行しなければいけないことは、これまですべて中途ハンパに始めてしまったこと(もしくは中途ハンパに終わってしまったこと)をすべて統合し、顧客が店舗に居ても、パソコンの前に居ても、さらには電車の中で企業のツイッターを眺めていても、同じ体験ができるようにしなければなりません。
オンラインショッピング
チャンネルを統合することで売上をアップ

あるドイツのリサーチでは、多くの顧客がオンラインで買い物をした際に、別のモノもまとめて一緒に買っていることが分かりました。この調査結果から分かることは、もしも小売店がオムニチャンル戦略をうまく使い、オンラインとオフラインをうまく統合できたなら、企業はさらに価値を作り出すことができ、この統合からさらなる収益を生むことができるのではないでしょうか。

1ドルの投資が12.5ドルの利益を生む


オムニチェネル
オムニチャネルは費用対効果が抜群

ユニクロなど大型店舗は別ですが、アパレル系のお店に行って、自分の気に入った服のサイズや色が品切れだった経験はないでしょうか?アメリカでいち早く、オムニチャネル戦略を導入した、大手百貨店メイシーズは、オムニチャネルの本質を次のように話しています。

「Inventory optimization through technology」(テクノロジーを通じた在庫の最適化)

お店の店員がスマホやタブレットを持ち、その場で他の店舗の在庫にアクセスして、在庫をそのままお客さんの自宅に届けるようなサービスを実施しています。

Wifi_ショッピング
人とスマホはもうセット

Gapやバナナリパブリックのeコマースサイトは、スマホで商品を1日5つまで予約でき、確認のEメールを受信した後に実店舗でピックアップできる仕組みを作っています。

IBMが2010年から5年間で2兆円を投資をし、開発し続けている「スマーター・コマース」(オムニチャネルを使った統合型ソリューション)の投資に対する効果は平均9ヶ月で、1ドル投資に対してリターンが12.5ドルという結果が出ています。

メイシーズの本格オムニチャネル化


メイシーズ
2010年にオムニチェネルを導入したメイシーズ

日本では大手百貨店から顧客離れ、今後どのように顧客を取り戻していこうかと担当者を悩ませています。アメリカの大手百貨店であるメイシーズも同じような状況にありましたが、2010年にオムニチャネル戦略を導入以来、売上を着実に伸ばしています。

メイシーズのオンラインの売上は、2010年から2011年の間で40%増、2011年から2012年も40.4%増とオムニチャネル戦略が現在のトレンドであることが伺えます。

オムニチェネル
大手百貨店が活気を取り戻した

メイシーズのオムニチャネル戦略は店員がただ在庫を調べるだけではなく、その場でモバイル機器を使って、商品の詳細やレビューを調べたり、ライバル店の価格と比較までして顧客の満足度を上げます。

メイシーズ スマホ
顧客のわがままに全て対応

こちらの記事でも指摘しているように、オムニチャネルを成功させる鍵は、ハード面、組織面、そして人材面を総合して改革していく必要があることが分かります。

まとめ


メイシーズ_ショッピング
さぁ、未来の買い物へ

日本企業では、セブンイレブンや無印良品など、比較的に先進企業しかまだオムニチャネル戦略を導入していませんが、今後、行き先が不明確な大手百貨店などは、メイシーズの成功例を元にどんどんオムニチャネル化を進めていく必要があります。

顧客を満足さえる仕組みを作るには数年かかるとは思いますが、今後の大きな道筋になることは間違えないです。

 

ビル・ゲイツ「コンテンツは王様だ!」

これだけ、スマートフォンやタブレットが世の中に普及してくると、雑誌や新聞を一切読まないという人も多いのではないでしょうか?

 

私も雑誌はたまに読みますが、最近では新聞は全く読まなくなりました。「フリー」の著者、クリス・アンダーソンは、有益な情報は無料になり、稀少な情報は有料になると言いましたが、現在では紙媒体の雑誌がどんどんウェブ上に移行しています。

エコノミスト_ウェブマガジン
ブランディングに成功しているエコノミスト

今から17年前、Windows 95が発売されて、インターネット普及の真っ只中だった1996年、ビル・ゲイツが言いました。

 

「コンテンツは王様だ!」

ビル・ゲイツが予想した未来


ビル_ゲイツ_コンテンツ_王様
1996年にすでに予測していた。

1996年にビル・ゲイツがマイクロソフト社とは全く関係のないところで発表した記事には、インターネットが、テレビ局や出版社の役目を果たし、良いコンテンツを上げて広告収入を得ることが将来のビジネスモデルになると書かれています。

さらにインターネット上でコンテンツを作る人(ライター、映像クリエイターなど)にはしっかりとお金を払わなければいけないことや、メディアを運営する側は、最初は広告で収益を得るのは苦労するなど、現在のインターネットの姿を17年前から予想していました。

ビル・ゲイツ
2013年、ゲイツが予測が現実化しつつある。

少し前までは検索エンジンの機能がまだまだ不十分だったことや、SEO業者などが、被リンクを大量に張り、特に面白くないサイトや、役に立たないなどでも検索の上位に上がってきましたが、現在では検索エンジンがかなり強化されてきており、17年前にビル・ゲイツが予想した世界に近づいてきています。

今まではブログは暇な人が書くというイメージがあったり、サイトのコンテンツは時間がある時に片手間で更新するような業務でしたが、これからは面白いコンテンツを作る人にはどんどんお金を払う時代がやってくるのではないでしょうか。

紙とウェブは完全に分離する


コンテンツは王様
一歩先を行く海外メディア

現在、日本でも遅れながら、ゲイツが考えていた構造が現実になりつつあります。紙の雑誌があまりパッとしない東洋経済は、ウェブの東洋経済オンラインと紙の東洋経済を完全に分離し、リニューアルからたった8ヶ月で「ビジネス誌系サイトナンバー1」になりました。

東洋経済オンラインの編集長である、佐々木紀彦さんによれば出版業界はまだまだ紙メディアを扱う事業部が力を持っていて、「この記事ウェブで上げていいですか?」と一回一回確認しなければならない状況だったそうです。

東洋経済オンライン
鍵はWebと紙を別けること

そこで佐々木さんが編集長になってまず実行したことは、ウェブ事業部と紙を扱う事業部を完全に別けることでした。そして速報では他の通信社に勝てないと理解した佐々木さんは、「クオリティの高い第2報」を意識し、スピードでは若干遅れる分、新聞にはない分析や独自のストーリーを混ぜることでユーザーを獲得していきました。

東洋経済オンライン
崖っぷちから立ち直った東洋経済オンライン

さらに、「東洋経済オンライン」というメディアを前に出すことはあまりせず、「個」を重視したウェブメディアを作り上げました。これからのメディアは著者のバックグラウンド、経歴、そして、政治的スタンスまで披露した上で、「私はこう思う」と述べる、「個」のメディアが一般的になっていくのは間違えないです。

 

今後のウェブメディアを運営していく上で、東洋経済の成功に学ぶことはかなり多いのではないでしょうか。

まとめ


ビル_ゲイツ_コンテンツ_王様
さぁ、未来のWebへ

ビル・ゲイツが予測したインターネットの未来は、17年経った現在、現実化しつつあります。インターネットが普及したことで、テレビ局や出版社が利益をどんどん失っていますが、この動きはこれからどんどん加速していきます。

東洋経済オンラインのようにしっかりと気合いを入れてやれば、短期間で利益を出せる時代になってきました。これからのウェブマガジンの発展が楽しみです。