SPACEBOYブログ

オムニチャネルマーケティングについて考えるブログ

人工知能で人生をもっと楽しく スペースボーイ株式会社

ビートルズよりも売り上げてしまった伝説のバンド、グレイトフル・デッドの近代的マーケティング

1970年代、まだインターネットもSNSもなかったころ、ビートルズやローリング・ストーンズと売上の規模で肩を並べた、「グレイトフル・デッド」というロックバンドは、現在インターネット業界で話題になっている、「フリーミアム」や「インバウンド・マーケティング」の手法を使って、伝説に残るど売上を記録しました。

最近では「グレイトフル・デッドにマーケティングを学ぶ」という書籍が発売されるほど注目が集まっています。

ライブでの音源を録音させた。


グレイトフル_デッド_マーケティング


録音されたテープは今でもファンの宝物

 

1970、80年台、まだまだCDもなかった時代、ほとんどのアーティストはライブでの「録音」を禁じていました。さらに、ファンがライブで録音をしやすいようにと音声器具の位置にも気を使ったそうです。

ピーター・ドラッカーの一番重要な言葉の中に、「顧客の創造」というものがあります。

経営者の仕事の中で一番大切なことは、「新しい顧客」を作ることであり、グレイトフル・デッドは当時は、例外中の例外であった、「ライブ音源を録音させる」ことで、自分たちの市場を作り出したのです。

コンテンツ・マーケティング


greatful_dead_ticket
ライブを録音させておかげで、チケットは飛ぶように売れた。

あるアメリカのウェブサイトによれば、コンテント・マーケティングの定義は、

 

“Content marketing, in its simplest definition, involves giving away something valuable in order to sell something related.”

“価値のある何かを顧客に与え、それに関連した何かを売る”

 

グレイトフル・デッドは、「関連した何か」がレコードアルバムでないことは知っていました。彼らにとって、「関連した何か」とはライブでの「経験」だったのです。ライブを自由に「録音」させることで、それに吊られてライブのチケットが売れます、Tシャツが売れます、ライブ会場でアイスクリームが売れます。確かに、価値のある「何か」を無料で提供するのは少し勇気のいることかもしれません。しかし、実際には「何かのやり方」を無料で教えるのと、それを「経験」するのは全く別のことです。

 

もし、あなたがウェブプロモーションのサービスを売りたいのであれば、そのような記事をどんどん書いていくことで「信頼性」と「説得力」が生まれます。その「信頼性」と「説得力」がブランドを作り出し、そのブランドを使って何年も商品やサービスを販売することができます。

影響力の拡大


グレイトフル_マーケティング

グレイトフル・デッドは、自由にライブの音源を録音させて、ファン同時交換させることによって、「あらたな市場」を作り出しましたが、同時に新しい「文化」も作り出しました。バンド結成から40年以上経った今でもファンは当時の「グレイトフル・デッド文化」でつながっています。

コンテンツ・マーケティングをすることによって、従来のマスメディアのように大規模に宣伝ができるわけではありませんが、あなたの「商品」や「サービス」を必要としている人に対しては大きな影響力を与えることができます。

電話営業をしても、自分たちの影響を拡大することはできませんし、ましてや「文化」なども作ることができません。

まとめ


グレイトフル_デット_マーケティング_テープ

 

結成から40年近くたち、あのジョブズにも大きな影響を与えた「グレイトフル・デッド」から学ぶことは多くあります。すでにある「市場」を同業他社の中でゴリゴリ営業して顧客を奪いよりも、ドラッカーが言うように、新しい市場を作り出した方がよほど賢いと言えます。とりあず、躊躇せず価値のあるコンテンツをどんどん作り配信しましょう。毎日コツコツ配信し、「信頼性」を得ることが最終的には大きな文化を生むことになるのですから。

フリーミアム:「営業」や「マーケティング」で成功経験がない人を雇う

今後、「プッシュ型」の営業効果をどんどん薄れてきて、「フリーミアム」のビジネスモデルがメインになってくると思いますが、日本企業はまだまだ出遅れており、「プッシュ型」の営業でクライアントを獲得している企業がほとんどです。
実際、企業の中で財務の決済権を持っている人は30代後半〜40代の方が多く、泥臭い営業をしてなんぼの世界で育ち、「フリーミアム」のビジネスモデルをなかなか理解することができません。

さらに、30代〜40代のユーザーも、二十世紀型のフリーミアムの共に成長をしてきたので、「無料なんてあるはずがない。どうせなんらかの形でお金を払わされるんだ」と考えてしまいがちです。

したがって、社内ではSNSやブログを使ってマーケティングをしたがっている若者に対して、ブログなんて書いている暇があったら、「新規獲得のために電話をしろ!」とか「アクセス分析なんか必要ない。そんな時間があったらお客さんのところへ行ってこい!」という形になってしまいます。

「フリー」と共に育った30歳以下の人たち


フリーミアム_若者
新しい価値感を持つ30歳以下の若者

私も20代ですが、もの心が付いた時から「無料」なサービスはインターネット上にたくさんありました。グーグルやミクシィは無料で当たり前に使っていたので、「無料」から世界規模の経済を作ることができるということに特に違和感は持ちません。

私も仕事上、いろいろな会社のウェブ担当者さんとお話しをさせていただくことがあるのですが、30歳以下の人たちは、毎日当たり前に使っているSNSやブログを使ってマーケティングをしなければならないことは分かっています。

しかし、財務の権限を握っている人の承認をあまり得ることができず、中途半端な形の運用になってしまっています。

伝統的なマーケティングで成功経験がない人達でチームを作ろう。


インバウンドマーケティング_クリエイティブチーム
マーケティングの経験がない人たちを雇おう

フリーミアムで集客をする場合、テレビCM、電話営業、広告メール、展示会などで「成功経験がない人」でチームを作るのがベストです。もし、話題になっているからという理由で「フリーミアム」をはじめてしまうと、

 

「全然お客さんから、問い合わせなんかないじゃないか。」

 

という形で従来のマーケティングに戻ってしまいます。数ヶ月、もしくは半年ぐらいは「投資期間」だと考えなければなりません。確かに短期的に見れば「プッシュ型」の営業の方が早いかもしれません。

しかし、「インバウンド・マーケティング」や「フリーミアム」の考え方では、一度作ったコンテンツ(インターネットの記事など)は資産になり、インターネット上にずっと残り続けます。

 

知的労働者にもなると、グーグルを使って一日20回以上は検索をします。コンテンツが増えれば増えるほど、あなたの会社はインターネット上で「見つけられやすく」なり、その割合が増えれば、増えるほど、問い合わせが来る可能性が高くなります。

「全然お客さんから、問い合わせなんかないじゃないか。」

という社内でのトラブルを無くすために、始める前に社内でしっかりと長期的マーケティングを共有した後で、始める必要があります。

まとめ


電話営業やDMなど、従来のマーケティングで成功経験がある人たちは、なかなか「フリーミヤム」のビジネスモデルを理解することができません。とりあず、新しいことをどんどんをやってみようということになるかもしれませんが、しっかりと社内で話し合ってからスタートすることをオススメします。なぜなら中途半端は運用になってしまうと、「フリーミヤム」のビジネスモデルはうまく行きません。全力前進の勢いで、会社一眼となって「フリーミヤム」を成功させましょう。

フリーミアム: 21世紀の新しいビジネスモデル

クリス・アンダーソンさんが「Free 無料からお金を生み出す新戦略」という本を出版してから「フリーミアム」という言葉がインターネット界で頻繁に使われるようになりました。

この本が発売されたのが2010年、もう3年も前のことですが、実際にまだ「フリーミアム」のビジネスをしっかりと理解できている企業は多くありません。クリス・アンダーソンさんは本の中で次のように述べています。

 

“二十一世紀のじめにいる私たちは、新しい形のフリーを開発しつつあり、それが今世紀を定義づけるだろう。新しいフリーは、ポケットのお金を別のポケットに移しかえるようなトリックではなく、モノやサービスのコストをほとんどゼロになるまで下げるという、驚くべき新しい力である。二十一世紀にはフリーがまったく新しい経済モデルになるのだ。”

 

毎年、年末年始になると来年は◯◯マーケティングが流行るみたいな記事が出てきますが、いちいちそのような記事に流されていてはきりがないです。「フリーミアム」は「哲学」であり、「手法」ではありません。今後のウェブマーケティング業界では「フリーミヤム」という言葉が更に飛び交うのではないでしょうか。

「無料サンプル」と「フリーミアム」はまったく別もの


従来のサンプルマーケティング
一つ買えば、一つ無料の従来のマーケティング

よくアメリカのデパートへ行くと、「Get One, Get One Free」というサインを見かけます。これは典型的な20世紀型の「無料」をモチーフにしたマーケティング手法で、「DVDを一つ買えば、二つ目はタダ」という感じで、お客さんを呼び込み、別の商品をカゴいっぱいに購入させるというやり方です。

二十一世紀を象徴する「フリーミアム」は従来の「無料サンプル」とは大きく異なります。まずは「有益な情報」をユーザーに無料で与えることで、「信頼」を獲得し問い合わせをもらいます。あなたがミュージシャンであれば、「楽曲」をインターネット上で、無料で公開し、コンサートに来てもらい、グッツを買ってもらうことで収益を得るというようなモデルです。

グーグルもほとんどのサービスを無料で提供していますが、世界で最も儲かっている企業のひとつとして名前が上がります。クリス・アンダーソンはこう語ります。

 

“ここにフリーのパラドックスがある。料金をとらないことで、大金を稼いでいる人々がいるのだ。すべてとは言わなくても、多くのものがタダになっていて、無料か無料同然のものから一国規模の経済ができているのだ。”

 

「フリーミアム」、21世紀の新しいビジネスモデルがここにある。

エバーノートの成功


エバーノート_ウェブマーケティング
急成長中のエバーノート社

「フリーミヤム」は現在、シリコンバレーでは当たり前のビジネスモデルになっています。実際はどの企業も成功しているわけではなく、多くの企業はなかなかマネタイズまで持っていけず、苦戦しているようです。

しかし、「エバーノート」のような企業の成功は、これから「フリーミヤム」のビジネスモデルで成功しようとしている企業に勇気を与えてくれます。

ご存知の通り、エバーノートは基本無料で使えるシステムで、追加のカスタム機能やストレージをもっと多くしたい場合は、月数ドルのお金払います。
フリーミヤム_エバーノート_マネタイズ
マネタイズの期間

 

上記の図を見てもらえれば、分かるのですが、エバーノートがリリースされて最初の30日間はサービスにお金を払ったユーザーは0.5%(月5ドルか年45ドル)だったのですが、6ヶ月には1%に達します。さらに2年後は6%のユーザーがお金を払い、94%の人が「無料」でサービスを使い、6%のユーザーがお金を払うというビジネスモデルが成り立っています。

エバーノートのCEO、Phil Libinさんは、次のように話しています。

 

「一億人にお金を払ってもらうための一番の近道は、まず一億人に使ってもらうことだ。」

 

どのようにマネタイズするかをしっかりと考える必要がありますが、いきなりユーザーからお金を取るのではなく、まず使ってもらう「フリーミヤム」のビジネスモデルで短期間で成長した企業がシリコンバレーから数多く出てきています。

日本のIT企業も学ぶことが多いのではないでしょうか。

参考記事

「Evernote CEO Phil Libin's 3 Steps to "Freemium" Success」

 

まとめ


フリーミヤムのビジネスモデルはお金が入ってくるまで時間がかかります。企業によってはもう数年間まったくお金が入ってこないながらも、フリーミヤムのビジネスモデルを続けるいるところもたくさんあります。しかし、Phil Libinさんの言う通りで、お金を払ってもらうためにはまず使って貰わなくてはいけません。たくさんのユーザーに無料に使ってもらいながらも、しっかりとマネタイズをする方法を見つけるのは安易ではないと思いますが、シリコンバレーでは「フリーミヤム」のビジネスモデルを使って、多くの企業が急成長していることを頭に入れて置かなければなりません。