毎年この時期になると、どのメディアも来年の「業界予想」の記事を出し始めます。Webマーケティングやソーシャルメディアの場合は、欧米の方が1年半〜2年ほど進んでおり、日本のメディアが出す記事と欧米を見比べて、その「ギャップ」をしっかり理解することでビジネスチャンスが生まれるのではないでしょうか。

僕は「2014年は◯◯の年だ!」というように、世の中の流れを「1年単位」で考えることはあまり好きではありませんが、欧米のメディアでは来年の業界の動きを予測する興味深い記事がたくさん出てきます。

HootSourceの記事によれば、2014年には「ソーシャルメディア担当」という人は会社から居なくなるそうです。それはソーシャルメディア・マーケティングが無くなるという意味ではなく(むしろどんどん伸びていく)、会社の社員一人一人がFacebookやTwitterを使って、情報を発信し、ブランディングしていく時代がやってくるという意味です。

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↑SNSは社員ひとりひとりの仕事


実際に「ソーシャルメディア・マネジャー」というポディションの仕事は年々少なくなっており、QUARTZというメディアは、「さよなら! ソーシャルメディア担当さん、ツイートは社員みんなの仕事だよ!」という記事を出しています。

さらに、欧米のメディアの多くが、「SNS内の有料広告の増加」、「FacebookよりもTwitter」そして、「コンテンツマーケティング」など、2014年のWebマーケティング戦略を考える上で、いろいろなヒントを上げているので一つ一つ見ていきましょう。


もう投稿はお金をかけないと、ユーザーに投稿は見てもらえない

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↑ソーシャルメディア広告は2017年までに110億ドルに成長する。


Facebookがフィードのアルゴリズムを変更したことで、広告らしき投稿や内容の薄い投稿はどんどんフィードに表示されなくなります。さらに、Twitterは上場したことで、広告を出して利益を出さなければなりませし、Google+も広告をスタートさせました。もうソーシャルメディアの中で無料で宣伝できるというフレーズが終わりつつあります。


2014年、多くの企業はSNSの費用対効果を本気で考えなければなりません。最近まで大して意味のない投稿をしていても、広告をかければファンはある程度集まりましたが、今後は「ゲームのルール」がもっともっと難しくなります。Facebookは次のように説明しています。


「Facebookのニュースフィードへの表示され方は常に変更されている。Facebook内でユーザーが常に意味のある体験ができるように、常に私たちは改善し続けているのです。」


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↑常に細かいアルゴリズムの変更を行うFacebook Team


しっかりとユーザーに価値を与えるコンテンツを配信していれば、お金をかける必要はないかもしれませんが、もしあなたの投稿を見るユーザーがファン全体の1%〜2%の場合は、間違なく広告をかけないと、投稿は見てもらえないようになってきます。


本当の意味で長期的にファンとしっかりコミュニケーションを取っていかなければなりません。

Twitter、Twitter、Twitter、そしてGoogle+

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↑果たしてこの「進化論」は正しいのか?

最近、僕は高校を卒業したばかりの子たちと話す機会があるのですが、FacebookよりもTwitterをメインで使っていような気がします。これはアメリカも同じ傾向にあり、10代、20代の若者たちはfacebookからもっと簡潔にやり取りができる、twitterやsnapchatにシフトしています。

ある記事によれば、twitterには"real people"(本物の人達)が集まっている傾向が高く、マーケターやアーティストにとっては非常にに使いやすいプラットフォームになっているようです。

ハッシュタグを使って興味のある人たちを即座に見つけることができ、上場を果たしたことで、Twitter内でターゲットを絞った広告も出せるようになってきます。

さらにTwitterは今年、facebookを抑えてアメリカで一番働きがいのある会社に選ばれています。2013年に上場は果たしたし、豊富な資金や人材も集まりつつあるTwitterが2014年、ついに本気を出すようです。


↑Twitterの働きやすさを伝える動画。非常に興味深い。

Twitterと並行して、2014年、米国のメディア内で注目を集めているのがGoogle+です。Google+のアカウントがSEO対策に有利になるのは以前の記事でお伝えしましたが、少し前に導入された新しいアルゴリズム、HummingbirdやGoogle Hangoutの機能がwebマーケティングをする上で非常に重要になってきます。あるメディアでは2014年はGoogle+にとって非常にに重要な年になるだろうと予測しています。



コンテンツ・マーケティング

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↑「コンテンツは王様」ビル・ゲイツはすで15年前に予測していた。


現在も、コンテンツはインターネット上にどんどん増えてきていますが、2014年、コンテンツはもっともっと増えます。コンテンツが増えるということは、あなたの企業はもっと質の高くて、エンターテイメント性のあるコンテンツを作らなければ、ユーザーに見てもらえないということになります。


さらに、コンテンツを定期的に発信して、ユーザーを囲っていくための「オンドメディア」を作っていく必要があります。米国のメディアでは、今年中にマイクロソフトは1社、もしくは2社のメディアを買収するのではないかという予測が出ています。もう大手企業でさえも、どこかのメディアに情報を流すのではなく、自社メディアを持って、ユーザーを囲っていく時代にシフトしつつあります。日本でもCMO(マーケティング責任者)という役職をようやく、置くようになってきましたが、アメリカではその先を行くCCO(Cheif Content Offier/コンテンツ責任者)を置く企業が増えてきました。


ただ、文章を書いたり、動画を作ったりコンテンツを日々作り続けるのは簡単ではありません。僕が毎日コンテンツを作っていて思うことですが、本当の意味でユーザーに価値を与えるコンテンツを作るのは簡単なことではありません。そのため、アメリカでは数年前から「TextBroker」というサイトがあり、外部のライターがクオリティーの高い記事を書いてくれるサービスにも需要が出てきています。


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↑クオリティーの高いコンテンツ作成者を探すサイト「Text Broker」


ライターのBrian Clarkさんは、今後はライターがインターネットビジネスの主流になるだろうという記事を書きました。先ほどGoogle+が今後重要になるのではないかというポイントを指摘しましたが、Googleは「Author Rank」という新しいアルゴリズムを追加し、「コンテンツの作成者は誰か」という所に重点を置きはじめています。Brian Clarkさんは次のように述べています。


「コンテンツマーケティングが流行し、何千人ものライターが自身の運命をコントロールできるようになる。社内のスタッフやフリーランサーとしてではなく、コンサルティング会社やマーケティング代理店のオーナーになるだろう。」


「ようやく世の中が追いついてきた。世の中があなたに追いついて来たのだ。」


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↑ライターのBrian Clarkさん


2014年、一方的な売り込み、見た人を騙すような広告、中身のないようなコピーライティングなどの効果はどんどん落ちていきます。まず、どうしたら、コンバージョンを増やせるかではなく、どうしたらユーザーが喜んでくれるか、もしくは「付加価値」を感じてくれるかを考えてマーケティングすることが、2014年の成功の方程式なのかもしれません。



まとめ


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↑海外の事実を受け止めるか、受け止めないかはあたな次第。


今回、米国の情報を元に2014年のトレンドをまとめてみましたが、Google+や「投稿はお金をかけないとユーザーに見てもらえない」など、まだまだピンとこない方も多かったのではないでしょうか。時代が進めば進むほど、インターネットはあなたにとってもっと身近なものになってきます。


冒頭でもお伝えしたように、ソーシャルメディアは「ソーシャルメディア担当」の仕事ではなくなり、社員一人一人が自分名前の元で企業やサービスをブランディングしていく時代にシフトしていきます。

昨日ある大手企業のソーシャルメディア担当の方とお話をして、「いやいや夏目さん、FacebookやTwitterを使って社員に自由に発言させるなんて、うちの会社では無理ですよ。」 と言っていましたが、社員が中から発信しても、しなくても、企業はもう何も隠せない時代がやってきます。

ソーシャルメディアも、コンテンツマーケティングもそうですが、結果出るまでに物凄く時間がかかります。週間ダイヤモンドなどが「次は◯◯の時代だ!」と特集を組んでから始めたのでは遅いのです。インターネットの多くのサービスには先行者メリットがあり、早く始めて、そのサービスに使い慣れておくことが大切です。


昔、ソフトバンクの孫正義さんはアメリカで流行ったサービスを日本に持ってきて、日本の市場を開拓するという「タイムマシーン経営」していました。多くの人はインターネットがこれだけ広がった中で、それはもう通じないだろうと言いますが、僕はそうは思いません。少し前にVineというショートムービーを共有するサービスが流行りましたが、アメリカではいち早くサービスを使い始めた先行者たちが短期間で利益を上げることに成功しています。

海外のトレンドにピンとこない方はある意味チャンスなのかもしれません。あなたがピンときていないということは、周りもピンときていない可能性が高いのですから。


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